2026年5月24日

糖尿病とは?原因と治療法をわかりやすく解説
〜食事療法・運動療法で将来の合併症を予防しましょう〜
「血糖値が高いと言われた」「健康診断でHbA1cが高かった」「糖尿病が心配だけど症状がない」――このような方は多くいらっしゃいます。
糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどない病気です。しかし、放置すると血管に少しずつ負担がかかり、将来的にさまざまな病気につながることがあります。
今回は、糖尿病の原因と治療についてわかりやすく説明します。
糖尿病とは?
糖尿病とは、血液中の糖(ブドウ糖)が慢性的に高くなってしまう病気です。
食事をすると血糖値が上がりますが、通常は膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが働き、血糖値を一定に保っています。
糖尿病では、
・インスリンが十分に作れない
・インスリンがうまく働かない
ことで血糖値が高い状態が続きます。
糖尿病の原因
糖尿病にはいくつか種類がありますが、多くの方は「2型糖尿病」です。
2型糖尿病の原因は、一つではなく複数が関係しています。
① 食生活の乱れ
以下のような習慣は血糖値が上がりやすくなります。
・食べ過ぎ
・甘い飲み物をよく飲む
・夜遅い食事
・間食が多い
・外食や脂っこい食事が多い
② 運動不足
筋肉は血液中の糖を消費する大切な役割があります。
運動不足になると糖を使いにくくなり、血糖値が上がりやすくなります。
③ 体重増加・内臓脂肪
特にお腹周りに脂肪が増えると、インスリンの働きが弱くなります。
「最近体重が増えた」「お腹周りが気になる」という方は注意が必要です。
④ 遺伝的な体質
家族に糖尿病の方がいる場合は、糖尿病になりやすい体質を持っていることがあります。
ただし、遺伝だけで決まるわけではなく、生活習慣の改善によって予防できる場合もあります。
糖尿病で起こる症状
初期には症状がないことも多いですが、血糖値が高くなると、
・のどが渇く
・水をたくさん飲む
・尿の回数が増える
・疲れやすい
・体重が減る
・傷が治りにくい
などの症状が出ることがあります。
糖尿病で怖いのは「合併症」
糖尿病で本当に注意したいのは、血糖値そのものではなく合併症です。
糖尿病が続くと、細い血管や太い血管が傷つき、
細い血管の障害
・糖尿病網膜症(目)
・糖尿病腎症(腎臓)
・糖尿病神経障害(手足のしびれ)
太い血管の障害
・脳梗塞
・心筋梗塞
・動脈硬化
につながることがあります。
早めに治療を始めることで、こうしたリスクを減らすことができます。
糖尿病の治療法
糖尿病治療の基本は「生活習慣の改善」です。
薬だけではなく、毎日の生活を整えることがとても重要です。
① 食事療法
「糖質を完全に抜く」ことが治療ではありません。
大切なのは、
・食べ過ぎない
・栄養バランスを整える
・食事時間を規則的にする
・野菜を先に食べる
・甘い飲み物を減らす
ことです。
「何をどれくらい食べればいいかわからない」という方も多くいらっしゃいます。
当院では管理栄養士による栄養指導を行っています。
患者さんの生活スタイルや仕事、食習慣に合わせて、無理なく続けられる食事方法を一緒に考えていきます。
② 運動療法
運動をすると、筋肉が糖を使いやすくなり血糖値改善につながります。
激しい運動をしなければいけないわけではありません。
おすすめは、
・ウォーキング
・軽いジョギング
・自転車
・筋力トレーニング
などです。
まずは「1日20〜30分程度歩く」ことから始めるのも十分効果があります。
③ 薬物療法
生活習慣の改善だけで十分な効果が得られない場合は、薬を使うことがあります。
薬にはさまざまな種類があり、
・インスリンの働きを改善する薬
・糖の吸収を抑える薬
・尿から糖を出す薬
・インスリン分泌を助ける薬
などがあります。
患者さんの年齢、生活習慣、体重、合併症などに合わせて選択します。
気になる症状や健診異常は早めの受診を
糖尿病は早い段階では症状が少ないため、健康診断で初めて見つかることも多い病気です。
「血糖値が高いと言われた」
「HbA1cが高いと言われた」
「家族に糖尿病がいる」
「最近体重が増えてきた」
という方は、一度ご相談ください。
当院では、薬による治療だけでなく、管理栄養士による食事指導や運動習慣のサポートも行っています。患者さん一人ひとりに合わせて、無理なく続けられる治療を一緒に考えていきます。
執筆者情報
田中大貴
資格)内科認定医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、消化管学会専門医、肝臓病専門医、プライマリケア認定医・指導医、総合診療科特任指導医

