生活習慣病
生活習慣病
「痛くない・苦しくない」が一番怖い。10年後の脳卒中・心筋梗塞を防ぐために。

生活習慣病は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。「元気だから大丈夫」「健診で指摘されたけど、忙しいから」と放置している間に、血管の老化(動脈硬化)は静かに進行します。そしてある日突然、脳卒中や心筋梗塞、腎不全といった取り返しのつかない病気を引き起こします。当院では、単に数値を下げるだけでなく、「将来の大きな病気を防ぎ、健康寿命を延ばす」ことをゴールに治療を行います。食事・運動療法のアドバイスから、患者様のライフスタイルに合わせたお薬の調整まで、二人三脚でサポートします。
自覚症状がないまま血管を傷つけるのが高血圧。家庭血圧の管理がカギです。
日本人の3人に1人が高血圧と言われています。血圧が高い状態が続くと、血管には常に強い圧力がかかり続け、次第に血管が厚く硬くなっていきます(動脈硬化)。恐ろしいのは、かなり進行するまで「頭痛」や「肩こり」などの症状すら出ないことが多い点です。放置すれば脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全といった命に関わる病気に直結します。当院では、診察室での血圧だけでなく、ご自宅で測る「家庭血圧」を重視した治療を行います。適切な降圧薬の選択はもちろん、栄養士による減塩指導や運動療法も併せて行います。
経過観察で良い場合もありますが、注意が必要です。緊張で一時的に上がっている場合もありますが、将来的に本当の高血圧に移行するリスクが高いと言われています。まずは「血圧手帳」をつけていただき、家庭での平均値を把握しましょう。逆に、病院では正常なのに家や職場で高い「仮面高血圧」の方が、脳卒中などのリスクが高く危険です。
生活習慣の改善で、減薬・休薬できる可能性はあります。「薬を飲みたくないから」と高血圧を放置するのが最も危険です。まずは薬で血圧を安全な範囲に下げて血管を守り、その間に減塩(1日6g未満目標)、減量、運動などの努力を続けることで、薬を減らしたりやめたりできる方は実際にいらっしゃいます。
140/90mmHgを超えたらご相談ください。診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上が高血圧の診断基準です。ただし、糖尿病や腎臓病をお持ちの方は、より厳格な管理(130/80mmHg未満など)が求められます。
「喉が渇く」「尿が増える」はSOS。失明や透析を防ぐための早期コントロールを。
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎてしまう病気です。初期は無症状ですが、進行すると「喉が異常に渇く」「水をたくさん飲む」「尿の回数や量が増える」「食べているのに痩せる」といった症状が現れます。怖いのは、高い血糖値が全身の血管や神経をボロボロにしてしまう「合併症」です。神経障害(手足のしびれ)、網膜症(失明)、腎症(透析)の三大合併症を防ぐことが治療の最大の目標です。当院では、HbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖の状態を示す数値)の迅速検査、尿検査などを用い、患者様の生活スタイルに合わせた無理のない治療計画をご提案します。
禁止ではありませんが、「量」と「食べ方」の工夫が必要です。極端な制限は長続きせず、ストレスでリバウンドの原因になります。「食べる順番(野菜から先に食べる)」「ゆっくり噛む」「間食の選び方」などを工夫することで、血糖値の急上昇を抑えることができます。当院では管理栄養士が在籍しておりますので、続けられる食事療法をサポートします。
患者様の状態によりますが、最近は良い飲み薬が増えています。1型糖尿病や、自身のインスリン分泌が枯渇している場合は注射が必要ですが、多くの2型糖尿病の方は、食事・運動療法と飲み薬でコントロール可能です。ただし、血糖値が著しく高い場合は、一時的にインスリンを使って膵臓を休ませる治療をお勧めすることもあります。
糖尿病になりやすい体質は遺伝します。遺伝的な要因と、過食・運動不足・肥満などの環境要因が重なると発症します。血縁者に糖尿病の方がいる場合はリスクが高いため、定期的な健診をお勧めします。
自覚症状ゼロの「動脈硬化の主犯格」。悪玉コレステロールと中性脂肪を管理。
血液中の脂質(LDLコレステロール、中性脂肪など)が異常値を示す状態です。「脂(あぶら)」という文字から肥満の方だけの病気と思われがちですが、痩せている方でも遺伝や体質により発症することがあります。余分なコレステロールは血管の壁に入り込み、プラーク(コブ)を作って血管を狭くします。これが破れると血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。当院では、動脈硬化のリスクを評価するために、頸動脈エコー検査なども活用しながら治療方針を決定します。
食事からのコレステロール摂取よりも、「飽和脂肪酸」を控えることが重要です。以前は「卵は1日1個まで」と言われましたが、現在は食事中のコレステロール量そのものよりも、肉の脂身やバターなどに含まれる「飽和脂肪酸」の摂取を減らし、魚や大豆製品、野菜を増やすことが推奨されています。ただし、数値が非常に高い場合は個別の指導が必要です。
遺伝的な体質や、女性ホルモンの減少が関係していることが多いです。「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の病気や、甲状腺の機能低下が原因の場合があります。また、女性は閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が減ることで、急激にコレステロール値が上がることがよくあります。体質によるものは食事療法だけでは下がりにくいため、お薬による治療が必要になるケースが多いです。
大いに関係があります。中性脂肪は、アルコール、糖質(お米、パン、麺類、お菓子)、果物の摂りすぎで上がりやすいのが特徴です。お酒を控え、炭水化物を少し減らすだけでも数値が劇的に改善することがあります。
「風が吹いても痛い」激痛発作。尿酸値を下げて、発作と合併症を防ぐ。
血液中の尿酸値が高い状態(7.0mg/dL以上)が続くと、関節の中で尿酸が結晶化します。ある日突然、足の親指の付け根などが赤く腫れ上がり、歩けないほどの激痛に襲われるのが「痛風発作」です。痛みは1週間〜10日ほどで治まりますが、そこで「治った」と勘違いして放置すると、発作を繰り返すようになり、関節が変形したり、腎臓に尿酸が溜まって「腎不全(痛風腎)」になったり、尿路結石ができやすくなったりします。働き盛りの男性に多い病気ですが、適切な治療を続ければコントロール可能です。
ビールよりはマシですが、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。ビールはプリン体が多いので避けるべきですが、プリン体が少ない蒸留酒(焼酎・ウイスキー)であっても、アルコールが体内で分解される過程で尿酸が作られ、さらに尿からの排泄も妨げられます。お酒の種類に関わらず「飲み過ぎない」ことが大切ですし、おつまみの選び方(レバーや干物などはプリン体が多い)も重要です。
逆効果です。発作中は「尿酸値を下げる薬」を開始・増量してはいけません。発作が起きている時に尿酸値を急に変動させると、結晶が剥がれ落ちて炎症が悪化し、痛みが長引いてしまいます。まずは痛み止め(消炎鎮痛剤)で痛みと炎症を完全に抑え込みます。痛みが引いてから(通常2週間後〜)、尿酸値を下げる薬を少量から開始します。
長期的な服用が必要になることが多いです。尿酸の結晶が体から完全に溶けてなくなるまでには数年かかると言われています。自己判断で薬をやめるとすぐに尿酸値が戻ってしまい、再発のリスクが高まります。数値が安定すれば薬を減量できることもありますので、根気強く治療を続けましょう。
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