炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
「止まらない下痢」「繰り返す血便」に悩んでいませんか?
〜指定難病(IBD)は、適切な治療で「普通の生活」が送れる病気です〜

「お腹の調子が悪くて、通学・通勤が不安」「便に血が混じっているけれど、痔だと思って様子を見ている」「若いのに、こんなにトイレが近いなんておかしい…」
もし、このような症状が数週間〜数ヶ月続いているなら、それは単なるお腹の風邪やストレス(過敏性腸症候群)ではなく、「炎症性腸疾患(IBD)」という免疫の病気かもしれません。
「難病」と聞くと怖くなるかもしれませんが、ここ数年で治療法は劇的に進化しています。早期に発見し、適切にコントロールすれば、病気でない人と変わらない生活を送ることが十分に可能です。
当院では、専門的な「大腸カメラ(内視鏡)」を用い、確定診断から治療(生物学的製剤など)まで、患者様の人生に寄り添ったサポートを行っています。一人で抱え込まず、まずはその症状をお聞かせください。
腸の「免疫」が暴走してしまう病気です。本来、細菌やウイルスから身を守るはずの「免疫」のシステムに異常が生じ、誤って自分の腸の粘膜を攻撃し続けてしまう病気です。これにより、腸に慢性的な炎症や潰瘍(ただれ)ができ、下痢や血便、腹痛、発熱、体重減少などの症状が現れます。
「難病」ですが、怖がりすぎる必要はありません!
「指定難病」と聞くと、「治らない恐ろしい病気」と思われるかもしれません。確かに現時点では完治させる特効薬はありませんが、近年の薬物療法の進歩は目覚ましく、炎症を抑えて症状がない状態(寛解:かんかい)を長く維持することで、健康な方と同じように仕事や食事、妊娠・出産が可能な時代になっています。
2つの病気は似ていますが、症状の出方に違いがあります。特に10代〜30代の若い方で「繰り返す下痢と腹痛、粘血便、しぶり腹」の症状がある場合は要注意です。
似ているようで異なる、2つの病気の特徴を解説します。
大腸のみ。炎症が「直腸(肛門のすぐそば)」から始まり、連続して奥の方(大腸全体)へ広がっていくのが特徴です。
粘膜の表面(浅い層)が中心にただれます。
口から肛門までの全消化管。大腸だけでなく、小腸、胃、食道、口の中など、消化管のどこにでも炎症が起きます。病変が「飛び飛び」に現れるのが特徴です。
血便は潰瘍性大腸炎ほど目立たないことがあります。
腸の壁の全層(深い層)まで炎症が及びます。そのため、腸に穴が開いたり(穿孔)、腸が狭くなったり(狭窄)しやすい傾向があります。
「過敏性腸症候群(IBS)」と見分けることが大切です。「緊張するとお腹が痛くなる(IBS)」と症状が似ていますが、治療法は全く異なります。正しい診断には、必ず「内視鏡検査」で腸の中を直接見る必要があります。
問診・血液検査
貧血の有無や、炎症の数値(CRPなど)を確認します。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
ここが診断のポイントです。内視鏡検査により腸の粘膜が赤く腫れているか、潰瘍があるかを確認します。見た目でUCかクローン病かの区別がつかない場合、組織を採取して顕微鏡で調べます(生検)。
CT検査・小腸の検査
クローン病が疑われる場合、小腸や腸の外側に異常がないかを調べるためにCT検査を行います。(※より詳しい小腸の検査が必要な場合は、専門病院へご紹介します)
「寛解」を目指しましょう。この病気は、現在の医学では完全に治癒(完治)させることは難しいですが、炎症を抑えて症状がなく、大腸の壁に炎症がない状態である「寛解」を長く維持することが治療のゴールです。
軽症〜中等症の基本となる飲み薬です。腸の炎症を抑えます。今は飲み薬の数が少なくて済むタイプや、注腸剤、坐剤など様々な種類があります。
炎症が強い時に一時的に使用します。
従来の薬が効かない場合に使用します。特定の物質(TNF-αなど)をピンポイントでブロックする注射や飲み薬です。当院では、患者様のライフスタイルに合わせて、通院での点滴治療や、ご自宅で打てる自己注射の指導・管理も行っています。
2週間以上続くなら、強くお勧めします。若い方の場合、「ただの下痢」と思っていても実はIBDだった、というケースが非常に多いです。IBDは早期発見・早期治療が何より大切です。一度検査をして「異常なし」と分かれば、それだけで安心できます。
鎮静剤を使えば、痛みを感じずに検査可能です。確かに炎症がある時は腸が過敏になっていますが、当院では鎮静剤でウトウトした状態で検査を行うため、痛みを感じることはほとんどありません。安心してご来院ください。
寛解期(調子が良い時)なら、極端な制限は不要です。症状が強い時(活動期)は、消化の良いもの(低脂肪・低残渣)を食べていただきますが、薬で炎症が治まっていれば、暴飲暴食や刺激物を避ける程度で、ほとんど普通通りの食事が楽しめます。
もちろんです。それを目指して治療します。今は良いお薬がたくさんあり、多くの方が病気と付き合いながら仕事や学業、スポーツ、妊娠・出産を経験されています。「病気のせいで諦める」ことがないよう、私たちが全力でサポートします。
症状がなくても、継続することが大切です。「元気になったから」と自己判断で薬をやめると、高い確率で再発してしまいます。再発を繰り返すと、腸が硬くなったりがんのリスクが上がったりします。「歯磨き」のように習慣化して、良い状態をキープしましょう。
国の「難病医療費助成制度」を利用することで、負担を大幅に軽減できます。潰瘍性大腸炎やクローン病は、国の「指定難病」に含まれています。重症度などの一定の基準を満たせば、医療費の助成が受けられます。所得に応じて「月ごとの自己負担上限額(例:5,000円〜20,000円など)」が決まっており、それを超えた分は支払う必要がありません。※申請には、難病指定医(当院院長)による診断書が必要です。
はい、当院で作成可能です。院長は、都道府県から指定を受けた「難病指定医」です。新規の申請に必要な「臨床調査個人票(診断書)」の作成はもちろん、数年ごとの更新手続きにも対応しています。(※申請には保健所での手続きが必要ですが、書類の準備など、当院でしっかりサポートいたします)
一旦は3割負担でお支払いいただきますが、後から払い戻されます。申請が承認されると、申請した日(保健所に書類を受理された日)までさかのぼって助成が適用されます。認定が下りた後に手続きをすることで、払いすぎた差額分(上限額を超えた分)が返金されますので、領収書は大切に保管しておいてください。
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